オフィスの他学校で最もポピュラーだった事務機器

パソコンやコピー機もない時代は、部数の多い印刷物を作るのに、手書きで作業していたのです。
学校では、毎日のように、お知らせや各種資料などが配られたのを覚えていると思います。
そうしたものは、特に印刷会社で作られたもの以外は、先生や事務員の人が、ガリ版といわれるもので作っていました。
また学年文集なども、生徒の中から字の上手な子供が選ばれて、作ったものです。
クラスのメンバーが書いた作文を集めて、ガリ版に書き写すのですが、字の間違いや文法の間違いなどを先生と確認した後、放課後時間を作って、ガリ版で書き写して行くのです。
またクラス文集では、クラスメート一人一人が自分の作文だけは自分で書くという所もありました。
こういう場合は、出来上がった文集を見ると、皆字の形が違っていて、各人の個性が分かるということになります。
その他、挿絵も一人一人好きな絵を描くので、お互いにお互いの文章や絵を見て、楽しんだのです。
ガリ版は、ペン字のような繊細な線が描けるので細密画のような風合いの絵が描けるのが特徴です。
またペンの力の入れ方によっても全く違った印象になるので、お互いの技術を学び合ったりできました。
現代のように、オフィスの必需品であるパソコンやコピー機などの便利な事務機器を活用するのもいいですが、手作り感のあるガリ版も復活させてもいいのではないかと思います。